チップインダクタ
インダクタとはコンデンサ(C)、抵抗器(R)と共に並ぶ重要な受動部品です。その中でも小型軽量化し、チップ型になっているものをチップインダクタと呼びます。
インダクタは、フェライトコア、セラミックコアなどに巻かれた導線に電流を通すことにより発生する電磁気の作用を利用したインピーダンス素子であるため、この構造によりコンデンサ(C)、抵抗器(R)と比べ構造が複雑となり、チップ化は比較的遅れていました。
しかし昨今では携帯端末などの普及により他の受動部品と同等に小型化が進んでいます。
チップインダクタの構造としては、一般的には下記の3種類があります。
1.巻線型
巻線型は、マグネットワイヤー(絶縁被膜付き銅線)をフェライトコアやプラスチックのボビン上に直接、バネのように螺旋状に巻いたものです。
また、角型のマグネットワイヤーを使用した製品もあります。
角型にすることで巻線部に隙間が無くなります。
丸型と同じ巻数と比較した場合、ワイヤーの断面積が大きくなるため直流抵抗が小さくなり、銅損が減少、効率の良いインダクタを作られるようになりました。
2.積層型
積層型は、マグネットワイヤーの巻線を一切使用しません。
磁性体フェライトや誘電体セラミックを薄く伸ばしたシート上に、ペースト状の金属材料でコイルパターンを印刷し、ミクロンオーダで積層するという積層集積技術を駆使して製造されます。
小型化・軽量化に向いているため現在では様々な電子機器で多用されており、インピーダンス回路や信号ラインのフィルタ回路等では積層型が主流として使われます。
3.薄膜型
薄膜型は、スパッタリングや蒸着技術を用いて、印刷よりもさらに薄い金属膜でコイルパターンを形成したものです。
半導体製造技術の応用により、小型で高精度なインダクタを実現しました。
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