低ESR電解コンデンサ
一般品と比較してESR(抵抗成分)が小さな電解コンデンサのことを指し、スイッチング電源などの比較的高い周波数やパルスを扱う回路に利用されます。
近年は導電性ポリマーの進化に伴い、次の2種類の低ESR電解コンデンサが製品化されています。
・導電性ポリマーのみで電解質を構成した高分子コンデンサ
・導電性ポリマーと電解液を用いたハイブリッドコンデンサ
導電性ポリマーを使用した電解コンデンサは従来の電解コンデンサより、いずれも電気特性、安定性、長寿命、信頼性、安全性、ライフサイクルコスト等において優れています。
・高分子コンデンサの特徴
静電容量の安定性:
セラミックコンデンサは、温度の変化・DCバイアスの変化に反応して静電容量が変化してしまいます。
高分子コンデンサにはこのような不具合はなく、時間が経過しても安定しています。
動作温度の変動が起こりやすい産業・車載用途においてはこうした安定性が特に重要になります。
優れたバイアス特性:
高分子コンデンサは極めてESR特性を持っているため、共振点付近で低インピーダンスとなります。また、インピーダンスが低いため、電力回路等でACリップルは減少します。
優れた安全性:
従来の電解コンデンサは、ショートや故障を誘引する可能性がありましたが、高分子コンデンサにはこのような状況に陥る可能性を排する自己修復機能を備えています。
・ハイブリッドコンデンサの特徴
ハイブリッドコンデンサは、高分子コンデンサと同様の特性に加えて下記のような特徴があります。
小型サイズ:
同等のコンデンサと比較して、小型化が可能。
高い信頼性:
ハイブリッドコンデンサは、同等の電解コンデンサや高分子コンデンサよりも耐湿性と耐久性において大幅に優れています。
コンデンサには小ささだけではなく過酷な電気・環境条件に耐えられることも必要とされます。
また、高温、高リップル電流、突入電流に対しても高い耐性を有しています。
上記の特性を備えたハイブリッドコンデンサは、小型で高信頼が要求される自動車関連の機器や通信基地局等で使用されます。
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