リターンパス
配線信号に流れた電流がGNDから戻ってくる経路のことをリターンパス(リターン電流)といいます。
戻ってくる電流の事をリターン電流と呼びますが、その経路が迂回していたり、遮断されていたりして不連続の場合はノイズ発生の要因となってしまいます。
複数で構成される電源のためのスリット 、GND層の分離スリットや、バスライン等で信号を切り返しした際に出来る連続したビアによるスリットでリターンパスを確保できていない基板も存在します。
また、リターンパスは回路図上では記載がなく、グランドの記号としてしかありませんので、リターンパスを気にせず進めてしまうこともあります。
高速信号の場合はリターンパスを最短にすることが最重要です。
高速な信号になるほど信号配線の直下をリターン電流が流れようとします。
隣接層がベタGND層になるように、配線する層や全体の層構成を考える必要があります。
高速信号ばかりを扱うプリント基板では、1層おきにGND層になっている基板も少なくはありません。
戻りの経路が長くなると放射ノイズが大きくなりますので、信号とGNDとのループが小さくなること、リターンパス経路が近くで整っていること、が良いことになります。
信号の隣の配線や隣接層をGNDにしてリターンパスを正しく確保しEMIを小さくするような配線が優秀なプリント基板設計になります。
リターンパスについてはこちらも参考にしてください↓
https://www.noise-counterplan.com/tweet/613/
その他ノイズ対策に役立つ用語はこちらからご覧ください↓
https://www.noise-counterplan.com/glossary/