差動インピーダンス
差動インピーダンスとは、一般的なオッドモード伝送を高速シリアル信号で行った際の特性インピーダンスのこと。
オッドモード伝送(差動伝導)は平行な2本の配線で異なる極性の信号を伝送するため、メリットが2つあります。
1つは、それぞれの配線に発生する電磁界が打ち消されることで、高速信号からの放射ノイズを減らせることです。
2つ目は、レシーバー(受信部)で入力される2つの信号の差分からHiとLowを認識するため、2本の高速信号にノイズの影響があったとしてもHiとLowの差には影響を与えません。
その結果、低電圧でも高速な信号伝達が可能となります。
2本の線を伝わる信号のモードには、逆相の「オッドモード」と同相の「イーブンモード」がありますが、一般的に「オッドモード」は高速シリアル信号で使われています。
PCIeでは差動インピーダンスはZdiff =100 Ω、USBはZdiff =90 Ωとなります。
ディファレンシャルモードの特性インピーダンスZDの2倍の値です。
コモンとディファレンシャルにおける特性インピーダンスは、コモンのほうがディファレンシャルより大きい関係にあります。
しかし、コモンがディファレンシャルより小さい場合、コモンでは2本当たりのディファレンシャルが2本の線のインピーダンスを表しているため注意が必要です。この場合は、コモン= ZC/2、ディファレンシャル= 2ZD となります。
LVDSの差動インピーダンスの標準は100Ωであるため、差動伝送路の特性インピーダンスもそれに合わせて100Ωで設計します。
差動インピーダンスの不連続点が伝送路中に最小になるように、伝送路の設計はできるだけシンプルにします。
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