低誘電
低誘電とは、電気の偏り(分極)の度合いが低いこと。
通常、電子は絶縁体の中では自由に動けませんが、電圧をかけると移動する電子が発生します。
しかし、分子にとどまるため物質の両端に電荷がプラスとマイナスに分かれて現れます。
このような物質の両端に電荷が現れる物質を誘電体と呼びます。
身近な誘電体としては、プラスチック、セラミックス、マイカ、油などがあります。
誘電率は、分極の度合いを示す特性のことで、誘電体の内部に広がる電波の伝搬速度や波長短縮の作用によって影響を受けます。
誘電率が低い材料は、絶縁体の中に蓄えられる静電エネルギー量が小さいため、絶縁性に優れています。
また、誘電率は高いほど波長が短縮されて伝搬速度が遅くなる傾向があります。
そのため、伝搬遅延の少ない回路を実現するには低誘電率の誘導体が有効です。
たとえば、電子機器の小型化に伴って集積回路が微細化され、配線間の電気容量が増えることで信号の遅延が生じることがあります。
この遅延を防ぐために低誘電率の材料が使われます。
また、無線機器の通信情報量が増えたことで高周波化が進んでいますが、高周波帯の電波は熱に変わりやすく伝送損失が発生しやすくなります。
この損失量を減らすために低誘電率の材料を用いることも有効な手段となります。
一方で、コンパクトなアンテナを開発する際には高誘電率の誘導体が使われます。
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