空間距離
空間距離とは、二つの導電体の間にある「空間経路での最短距離」のこと。英語ではclearance distanceと表記します。
空間距離は、絶縁体の表面に沿う経路ではなく空間での近道となる経路を表します。
そのため、導電部分に複数の溝がある場合でも溝を考慮せず空間的な距離を測ります。
つまり、溝があるかないかは絶縁距離に影響を与えないと考えます。
一方で、突起部分がある場合は、空間的な最短距離は突起部分を飛び越えるようになり、絶縁距離は広くなります。
そのため、突起部分の有無は絶縁距離に影響を与えるといえます。
空間距離の求め方では、最小空間距離と追加空間距離を考える必要があります。
たとえば、電池の空間距離を求める場合、絶縁部に溝や突起がない場合は沿面距離と同様に見たままの距離になります。
しかし、絶縁部に突起がある場合は、突起に応じて空間距離は長くなります。
ただし、この場合の空間距離は沿面距離よりも短くなります。
また、溝がある場合、空間距離は最短距離となるため何もない場合と同じ距離となります。
電流が流れる部品は「沿面距離」や「空間距離」などの絶縁距離が決められているので、設計の変更などをする場合は注意が必要です。
形状を変える場合は最低でも絶縁距離は決められている値以上にする必要があります。
さらに、規格認証のある製品であれば、変更した内容を再度、認証機関から規格認証してもらわなければなりません。
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