バックドリル
バックドリルとは、不要なビアのスタブを削り取る工法のこと。
バックドリルは、高速な伝送を可能にするためにプリント基板の表面から内部の信号部までのビアスタブをできる限り取り除きます。
なぜなら、スタブは信号反射やインピーダンスの不連続性を妨げる要因となるからです。さらに、スタブは信号品質にも影響を与えます。
つまり、基板に高いBER(ビットエラーレート)やジッター、信号の減衰などの問題がある場合にバックドリルが使われます。
また、その他の問題がEMIにある場合もバックドリルは有効な解決法となります。
スタブが長い場合、信号の歪みはひどくなるため注意が必要です。
バックドリルは、ブラインドビアや埋込みビアを使用するよりもコストを押さえることが可能な上、基板構造の難易度を下げることができるため広く使われています。
バックドリルは通常、基板を製造する工程の最終段階で行われます。
流れとしては、材料の切断、内層の工程、エッチング、光学検査、粗化、積層、穴あけ、スルーホールメッキ、外層の工程、パターン銅メッキ、バックドリル、となります。
バックドリルの難しい点は、ドリルの深さ方向や基板の厚みに公差があるため、高い精度が必要となる点です。
また、基板が完成した後に行われる加工により、後から不具合が出る可能性もあります。
そのため、スタブの完全除去は難しいともいえます。しかし、ある一定の層を除去するだけでも十分な効果が期待されます。
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