分布定数回路
分布定数回路とは、回路素子数が有限で集中せずに分布している回路のこと。
集中定数回路の対比用語になります。
分布定数回路の性質は「配線や部品の距離や寸法が有限であり、信号の伝達時間も有限である」「線路が寄生成分を持っており、線路自体も回路と同じ性質を持つ」「線路上の電圧は場所により異なる」などが挙げられます。
つまり、分布定数回路で回路の計算を行う場合、「信号伝達の遅延」や「線路が回路の動作に与える影響」さらに「定在波」などを考慮することが大切です。
また、分布定数における「分布」とはインピーダンスのことです。
インピーダンスが配線に分布していることを表しています。
たとえば、同軸の線路は外部導体と中心導体の間に誘導体を挟んでいるためキャパシタンス(静電容量)を持っているといえます。
そして、信号の進行方向に対してはインダクタンスを持ちます。
これらが連続して分布していることから分布定数と呼ばれています。
解析や設計を行う際は、線路の単位長さ毎のインダクタンス、抵抗、キャパシタンス(静電容量)、リーカンス(漏れ抵抗の逆数)等の回路定数が線路に分布しているとします。
しかし、線路でも交流の波長よりも短い場合は集中定数回路となります。
また、電気回路でも波長がとても長い回路の場合は、分布定数回路となります。
つまり、線路の特性インピーダンスやその他の定数などは分布定数からの算出が可能となります。
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