誘電損失
誘電損とも言います。誘電損失とは、交番電界 を絶縁体 にかけたときに生じるエネルギーロスです。交流電場を誘電体に加えたとき、熱エネルギーとして誘電体の中で電気エネルギーが失われる現象のことです。
水など永久双極子をもつ誘電体で著しく見られます。 高周波領域で大きくなり、コンデンサの損失をもたらし,共振回路のQ値が低くなります。
プリント基板の絶縁体に使われるコア材やプリプレグ材は、紙やガラスを原料としてエポキシなどで固めたもので、構造や材質によって CEM-3, FR-1, FR-4 などと呼ばれます。それら絶縁体の電気的特性には、比誘電率と誘電正接というものがあります。
誘電率は分極の強弱を表す値で、言い換えればコンデンサ成分になる特性の大きさを示しています。比誘電率は、真空の誘電率との比率を表し、数値が大きい方がコンデンサ成分が大きくなります。絶縁体を通して信号配線とGNDの間にこのコンデンサ成分が入る関係になるので、比誘電率が大きいと配線に高周波信号が通りにくくなって信号がなまってしまいます。なので、電気を通しにくいもの(ゴムなど)比誘電率が大きいということになります。
誘電正接とは、誘電体に交流電場が加わった時に誘電体の中で電気エネルギーの一部が熱になって損失する度合いを表します。
交流電場の周波数が高いほど影響を大きく受けるので これも配線に高周波信号が通りにくくなって信号がなまってしまいます。
こちらの誘電正接による損失の方を一般的には誘電損失と言います。
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