ディファレンシャルモード
ディファレンシャルモードとは「伝導ノイズ」のひとつで、行きと帰りの向きが逆になるノイズのこと。
ディファレンシャルモードは、英語でdifferential mode と表記され、differential には
「異なる」という意味があります。つまり、ノイズが入ってくる向きと出ていく向きが
異なっていることからこの名前がつけられました。また、ノーマルモードノイズとも呼ばれることもあります。
ディファレンシャルモードノイズは、ノイズ源が電源ラインの直列にあるため、ノイズ電圧は電源ラインの間に発生します。また、ノイズ電流は信号源の電流と同じ経路で流れています。その為、電源ラインの間に流れるノイズ電流は、同じ大きさで逆方向という特徴があります。
最近では、多くの高周波信号の回路で差動信号が使われており、信号はディファレンシャルモードで送られます。しかし、別の信号を重ねて送ることもあるためコモンモードも一緒に使われることがあります。その際、コモンモードがノイズとなることを防ぐためにケーブルシールドが使用されます。
ディファレンシャルモードのノイズ電流の経路は逆方向となっているため、適した配線をすることによって電磁波が打ち消し合い、放射ノイズが減少します。
電源入力側の対策としては、入力側に電源で発生したノイズが行かないように「ノーマルモードチョークコイル」や「Xコンデンサ」を接続します。「ノーマルモードコイル」にはノイズ電流が入力側に流れることを防止する働きがあり、「Xコンデンサ」にはノイズ電流をバイパスする働きがあります。
出力側の対策としては、短くて太い配線を電源と負荷の間に配置したり、「ローパスフィルタ」をいれたりするなどがあります。
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