差動信号
差動信号は英語では differential signalingと表せます。平衡接続ともいいます。
差動信号は,2本の信号線を使って、一つの信号を伝送する方式です。1本の線に元の信号を、もう1本の線に逆位相の信号を送ることです。要するに信号が平衡関係にあります。 2本の電線はどちらも接地されません。ノイズに強い伝送方式です。
“H”レベルと“L”レベルの識別を、差動信号線間の電圧が正(+)と負(−)かで行います。これらの線にノイズが入ってもキャンセルすることができ,シングルエンド信号に比べてノイズに強いし,データの高速伝送が可能です。理由は2本の信号線間の電圧差を使用するためです。
USBなどの高速インターフェースやPCI Expressバスには差動信号が使われています。ただし,シングルエンド信号は信号を1本の信号線で送ることができますが,2本の信号線が差動信号では必要になります。
差動信号伝送は、PCI ExpressバスやUSBなどの高速インターフェースに用いられているように他にも、PCなどのコンシューマーから先進的な高いパフォーマンスのコンピューティングまで、通信や信号伝送が必要な用途で幅広く使用され、欠かせない技術となっています。
差動信号のメリットとしては、消費電力が低い、不要輻射ノイズが小さい、高速である、安定している、ノイズに強い、などがあります。並列シングルエンド信号プロトコルより、はるかに高いデータ帯域幅を1対の配線で実現できることから、差動信号がデジタル世界を支配しています。ですからインターネットは差動信号がないと成立できません。
その他にも以下が差動信号の使用例です。
• HDMI
• Infiniband
• SATA
• 有線イーサネット
• Hypertransport®
• LVDS
• ECL長距離ラインドライバー
• 2相クロッキング
• DDRクロックおよびデータ線
差動信号に関する内容は以下もご参考にしてください↓
https://www.noise-counterplan.com/tweet/773/
その他ノイズ対策に役立つ用語はこちらからご覧ください↓
https://www.noise-counterplan.com/glossary/