リンギング
リンギングとは、電気回路で波形が振動する現象のこと。
オシロスコープ上で「さざなみ」のように見える電圧または電流出力を指します。
これは、信号の反射もしくはリアクタンス成分の共振が原因で起こります。リンギングは英語でringing と表記します。
振動による出力信号は、上限下限共に許容できる範囲を外れてから段々と滑らかになっていきます。
このように振動が許容な範囲内に落ち着くまでにかかる時間を「整定時間」といいます。
リンギングは、出力信号の形状が特徴的なため「リップル」と呼ばれる場合があります。
ただし、これは交流電源の50/60Hzの周波数成分からなる変動に使われる名称です。
リンギングは波形の反射が原因で発生しますが、この反射はインピーダンスが変わるところで起こります。
そのため、デバイスの出力と入力を配線でつなげるだけではインピーダンスの差が生じて信号の反射が起こり、リンギングが発生することになります。
また、トレースの「長さ」によってもリンギングの原因は異なります。
「短いトレース」の場合、寄生インダクタンスや寄生容量がリンギングの原因となります。
「長いトレース」の場合は、インピーダンスミスマッチの信号反射がリンギングの主な原因といえます。
リンギングは、様々な悪影響を及ぼす可能性があり、たとえばEMIや電流フローの増加、性能の低下などがあります。
リンギングを防止するには「寄生インダクタンス」と「寄生容量」を減らすことが大切です。
基板の電源周辺でノードの長さを短くするといいでしょう。
また、インピーダンスマッチングを使って、信号反射を最小におさえる方法も推奨します。
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