オーバーシュート
オーバーシュートとは、矩形波の立ち上がり部分で、基線を超えてしまう現象のこと。
英語では、overshootと表記します。定常値を超えて上方向に突出した波形の部分を指すこともあります。
オーバーシュートでは波形が定常値を一度超えてから定常値に近づきます。
一方で、矩形波の立ち下がり部分で下方向に突出する現象についてはアンダーシュートといいます。
矩形波の回路では、オーバーシュートとアンダーシュートはどちらも起こりやすくなります。
オーバーシュートが起こる原因は、ノイズの重なりや信号の反射です。
オーバーシュートが大きくなりすぎると、デバイスの信頼性が損なわれる恐れがあります。
オーバーシュートを抑制する一般的な方法として、信号線の上にダンピング抵抗を直列接続する方法があります。
ダンピング抵抗は、出力ピンの近くに置くとよいでしょう。
また、デバイスによっては端子の駆動能力を変えることができるため、一度確認することをおすすめします。
さらには、測定方法が正しくないため、プローブ接続の影響によってオーバーシュートが誤って観測されてしまう場合があります。
その場合は、プローブの影響を抑えるためにアクティブプローブを使用して測定するといいでしょう。
オーバーシュートがICの最大定格を超えてしまうと、内部回路の破損を招いたり回路の寿命を短くしたりする原因となりますので十分に注意する必要があります。
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