高周波基板
高周波基板とは、高周波信号の伝送に使用される基板のこと。
英語では、high frequency boardと表記します。一般的に1GHz以上の周波数レンジの信号を扱う基板になります。
高周波信号の伝送に用いる基板として比較的に高価な基板になります。
ポリテトラフルオロチレン(テフロン/PTFE)やセラミックなどの誘電率が低く、伝送損失が低い材料を選ぶことが重要になります。
低い周波数レンジであれば、難燃性ガラエポ(FR-4)が用いられることもあります。
高周波回路に使用するプリント基板で動作周波数が高く設定されているため、信号の伝達速度が速くなります。
信号速度は誘電率の高さに反比例するため、誘電率の低い基材を用いる必要があります。
また、電力吸収によって信号の伝送損失が生じます。
この伝送損失の大きさは、誘電正接に比例するため考慮が必要です。
さらに、吸水性の低さは誘電率と誘電損失にも影響する点にも注意しましょう。
つまり、高周波回路では大容量および高速データ通信に対応する必要があり、信号の速度が重要となります。
そのため、使用される基板の材質は低い誘電率で伝送損失が低いことが大切といえるでしょう。
高周波基板では多層基板が多く使用されます。
基板スペースが少ないといったこともありますが、多層基板とすることで実装や配線密度を上げて、
配線を短くすることが出来ます。また、層が増えることによりGND層を専用に設けることが出来るようになります。
高周波の回路はGNDの設計が非常に大切になります。
リターン電流経路(リターンパス)を確保する事で、ノイズを低減させていきます。
GNDプレーンを分断するようなスリットなどを設けない様にすることが重要です。
逆にリターンパスが乱れるようなGNDのスリットやGND分離があると、
磁界が乱れてコモンモードノイズが発生しやすい状態になります。
このコモンモードノイズがEMIを悪化させる最大の要因だとも言われています。
GNDプレーンの形成によるGNDの強化が必要不可欠で重要となってくるのです。
高周波基板は、スマートフォンや家電、通信機器、ミリ波レーダー、自動運転などの様々なジャンルでの需要が伸びています。
高い周波数で動作するため、一般的な回路よりも高いレベルのノイズ対策が必要になります。
機器からノイズを放射させないようにしたりノイズの影響を受けたりしないようにする対策が重要です。
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