誘電率
誘電率とは、物質が分極しやすいかを示す指標のこと。
「分極のしやすさ」は「電気を蓄えられる大きさ」を示すため、誘電率はコンデンサ用の材料や絶縁体の性能評価において一つの指標になります。たとえば、誘電率が高いほど電気量は大きくなりコンデンサ材料として適しています。
一方で、誘電率が低いほど電荷が溜まることを防ぐため絶縁体として良い材料といえるでしょう。そのため、誘電体や絶縁体の特性を評価するときに誘電率を測定することは非常に重要となります。
誘電率は、コンデンサ成分になる特性の強さを表した値とも言われています。つまり、誘電率が高いとコンデンサ成分が大きくなりやすく、誘電率が低いとコンデンサ成分が小さくなりやすくなります。
誘電率は、英語ではpermittivityと表記し「電媒定数」とも呼ばれます。記号には通常εが使用され、電束密度(D)と電場(E)の関係はD=εEになります。また、誘電率を真空の誘電率ε(/0)で割った値のことを比誘電率と呼びます。物質は固有の誘電率をもっていますが、誘電率の値は外部から電場を与えた際に物質の原子や分子がどのように反応するのかによって決まります。
誘電率が高いほど単位電場に対して発生する電荷が大きくなるので、交流電場を加えると交流電流は大きくなります。つまり、誘電正接がゼロでない限り、誘電率は高ければ高いほど電力消費は大きくなり、その結果、大きな熱が発生し大きな損失となります。
コンデンサは、電極と電極の間が真空の場合、または比誘電率(εr)の誘電体が挟まれている場合、静電容量がεr倍になるという特性を持っています。
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