浮遊容量
浮遊容量とは、設計者が意図しない不要な静電容量のこと。
電子回路ではコンデンサを使用する際は設計時に回路図上に表記しますが、
実際に電子回路を作った場合、向かい合う2つの電線や端子などの導体に電圧をかけると、
回路図上にかかれない電気の溜まり(コンデンサ)が発生します。
設計時には意図しない容量成分であり「浮遊容量」と呼ばれます。
浮遊容量は、英語でstray capacitanceやstray capacityと表記します。また、浮遊容量は寄生容量と呼ばれることもあります。
浮遊容量の影響には「共振」があります。浮遊容量が原因で予期しない共振回路となってしまい、大きな電流や電圧が発生してノイズ障害を起こします。これにより、導体がつながっている機器などに誤作動が起こります。
小さな容量でも周波数が高くなるほど影響が出やすくなります。
発生した浮遊容量や寄生インダクタンスは目的の信号と結合します。
長い並行の信号線は浮遊容量を持ってコンデンサになりますが、寄生インダクタンスは
プリント基板や接続ケーブルなどに現れます。こういった性質が回路に影響を及ぼします。
したがって、なるべく浮遊容量や寄生インダクタンスが小さくなるように
回路の配線は出来るだけ短くし、入力や出力など異なる信号の配線は離すなどが重要になります。
また、静電浮遊容量は、向かい合う導体面積に比例して、導体距離には反比例するという特性もあります。
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