ノイズ解析
プリント基板におけるノイズ解析では、EMIシミュレータも利用されます。
従来のプリント基板のノイズ対策は、問題が設計の下流工程で発生してから対処することが一般的でした。
しかし近年では、問題が発生する前に事前に対策を行うEMC設計が行われるようになってきています。
EMC設計において重要なツールの一つにEMIシミュレータがあります。
電子機器の多くはプリント基板がEMI発生源となるため、EMI対策は主にプリント基板上で行われます。
EMIシミュレータを用いることで、試作前にプリント基板上のノイズ発生源や伝搬経路を特定し、適切な対策をすることが出来ます。これにより、電子機器のEMC性能を向上させることが可能となります。
EMIシミュレータには伝送線路シミュレータや電磁界シミュレータがあります。
また、シミュレータではありませんが、プリント基板設計がEMI対策デザインルールに則っているか確認するためのEMIルールチェッカもあります。
伝送線路シミュレータは、高速信号の基板設計で使用され、伝送線路の信号波形の品質を向上させるために使用されています。
ICの解析モデルであるSPICEモデルやIBISモデルを使用して、波形やノイズレベルを解析します。
電磁界シミュレータは、電場と磁場に関する現象や振る舞いを解析することができます。
電子機器などがどのような影響を受けているかなど、電磁波の動きをパソコン上で確認することが出来ます。
不要な電磁波が電子機器などに影響を与えた場合、故障や誤作動を起こす可能性がありますので、そういった電子機器とならないよう製品の開発段階で電磁界解析を行います。
その時々で条件やパラメータが変わるため、どのツールを使うべきか一概には言えません。
また、また単一のツールでは十分ではないため複数のツールを用いてノイズ解析をしてEMI対策することが望ましいでしょう。
その他ノイズ対策に役立つ用語はこちらからご覧ください↓
https://www.noise-counterplan.com/glossary/