セラミック基板
セラミック基板とは、セラミックスを基材としたプリント基板のこと。
セラミック基板で使われる基材は高熱伝導性を持つため、ホットスポットからの熱を効率的に移動させ、基板の表面全体に放熱します。そのため、セラミック基板はメタルベース基板やガラス系基板と比較して放熱性に優れています。
また、化学的腐食に強く、機械的強度や耐久性にも優れているという特徴もあります。さらにセラミック基板は、従来のプリント基板に比べて構造がシンプルで高い性能を持ち、汎用性が高いです。
一方で、セラミック基板は他の基板と製造方法が異なるため、一般的な基板メーカーでは製造できないというデメリットもあります。
セラミック基板に使用される主な素材は、アルミナ、窒化アルミ(アルミナナイトライド)、ジルコニア、シリコンカーバイド(SiC)の4種類があります。
アルミナは、セラミック基板の中で最もよく使われる定番素材です。
耐熱性、熱伝導性、絶縁性、耐食性に優れており、さらに低コストで製造できるため、アルミナ基板は様々な分野で用いられています。
例えば、IC基板や半導体素子パッケージなどに使われています。
窒化アルミ(アルミナナイトライド)は、アルミナよりも熱伝導率が高いため、効率的に熱を伝達できます。
さらに放熱性も高く、吸熱や急冷にも強いという特徴があります。
熱膨張による割れにも強いため、窒化アルミ基板は熱に弱い半導体やLED、レーザーなどで使用されます。
ジルコニアは、耐腐食性や耐熱性が高く、破壊靭性にも優れている素材です。
強度や弾力性があるため曲げて使用することができ、極薄の加工も可能です。さらに、酸素イオン伝導性もあります。
そのためジルコニア基板は、高い精密さや精度が求められる電子機器などに使用されます。
シリコンカーバイドは、炭素とケイ素からなる化合物です。
硬度が高く、熱伝導率や耐摩耗性にも優れています。そのため、シリコンカーバイド基板は、耐圧性が求められる自動車部品や太陽光発電システムなどに使用されます。
セラミック基板の種類としては、高温セラミック基板、低温セラミック基板、厚膜セラミック基板の3つに分けられます。
高温セラミック基板は、高温同時焼成セラミックス(HTCC)技術を使用した多層基板です。回路トレースにはタングステンやモリブデン、マンガンなどが使用されます。
低温セラミック基板は、低温同時焼成セラミックス(LTCC)技術を使用します。ガラスとセラミックの複合材料が使用され、熱伝導率や強度が高いのが特徴です。
厚膜セラミック基板は、積層構造の基板で、導体や抵抗ペーストを印刷し焼成を繰り返して形成します。厚さが10ミクロンを超えることがあるため厚膜基板とも呼ばれます。
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