プリエンファシス
プリエンファシスは英語表記にすると (pre-emphasis) となります。
情報伝送に関わる電気技術のことです。データを伝送するときの信号の調整(シグナル・コンディショニング)の一種です。
伝送路における高周波数の減衰特性に対応しています。
伝送信号の高域側の幅を増やして送信側から送り出し、受信側で受ける信号の周波数の特性を改善するための変調技術です。
要するに、プリエンファシスは正常の信号波をその周波数の帯のある部分について、他の部分に比べ、意図的に特に強めることです。
一般的に信号伝送路は、低域通過フィルタとして機能しています。だから、そこを伝わる信号の高周波成分は減ってしまいます。
伝送距離が長くなるほど、周波数が高くなるほど減衰量は大きくなっていきます。
この理由で、高速な信号を長い距離伝送する時は、正確に情報を伝えることが困難になります。
そこで、プリエンファシスという信号調整の技術が必要になります。
プリエンファシスが伝送路で減衰してしまう高周波を送信回路で先に追加して伝える方式ですが、それとは逆の調整方法がデエンファシスとなります。
プリエンファシスとデエンファシスの使い分けのポイントとしては、電圧振幅の大きさにあります。
プリエンファシスは高周波成分を加えるため、電圧振幅が大きくなりますが、デエンファシスは低周波成分を削るため、電圧振幅が小さくなります。
電圧振幅が大きいと、論理値である「0」と「1」の間の遷移時間が長くなるので高速な信号伝送に適さないと言えます。したがって高速信号の場合はプリエンファシスはあまり適しません。
エンファシスについての詳しい説明はこちらも参考にしてください↓
https://www.noise-counterplan.com/tweet/775/
その他ノイズ対策に役立つ用語はこちらからご覧ください↓
https://www.noise-counterplan.com/glossary/