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伝送線路

分岐配線時の波形(分岐部分の抵抗)

分岐配線時の波形は、分岐後にドライバまでの距離がアンバランスな場合、波形が乱れたり短い方の配線の波形のエッジに段付きの兆候が出ることを紹介しました。
分岐後にドライバまでを等長配線にすることで波形で乱れが無くなりますが、基板設計の難易度が大幅に上がってしまいます。
配線スペースや日程に余裕がない案件も多いと思います。
今回は1つの例ですが、抵抗を追加して、波形を良くする方法をご紹介したいと思います。

 

●ダンピング抵抗近くから長さを揃えて分岐した場合、同じ波形で乱れもありません。
基板設計でこのような等長配線が出来れば問題ありません。

●ダンピング抵抗からレシーバのIC2側の配線を短くした場合、どちらもリンギングが発生します。
分岐後の配線長がアンバランスな多分岐は、大きなリンギングを引き起こします。

●アンバランスな配線長のまま、分岐部分に抵抗を入れて波形を確認すると、リンギングが少なくなりました。

●IC2側の配線長をさらに短くし、配線長に差を付けて確認した所、大きなリンギングは出ていません。

ダンピング抵抗から分岐した配線が、アンバランスな場合は大きなリンギングを引き起こします。
抵抗の追加によるコストアップ、回路図変更などの問題もありますが、
分岐部分に抵抗を入れる事でレシーバ同士の影響を減らし、リンギングを押さえ込む事ができます。
分岐後に等長配線を行う事で波形の乱れはなくなりますが、基板設計の難易度が上がってしまいます。
シミュレーションをして進め方を決めておくことがおすすめです。

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