スイッチング電源をオンボードで実装する機会が増えたと感じる回路設計者の方は多いと思います。
出力が3A以下であれば、FET内蔵のコントローラーにリファレンスデザインやツールの推奨部品(チョークコイル,大容量セラミックコンデンサ)だけで構成可能になってきています。
半面、EMI測定を行って初めてスイッチング電源のノイズが問題になるケースも出てきています。
スイッチング電源のスイッチングに起因するノイズは
スイッチング・ノイズと呼ばれます。
スイッチング・ノイズは、
リップル・ノイズとスパイク・ノイズの成分があります。
波形を下図に示します。
オシロスコープで波形として見えることに注目して下さい。
大きな電流を伴うためEMI測定でも確認出来ますが、電源にノイズが直接混じるので電子回路の動作が不安定になります。
どのような回路であっても、必要とされる電源の精度を意識してスイッチング電源を構築し、評価することが重要です。
スイッチング・ノイズの対策は、最初の設計時に安定した”良い電源を作る”ことに重心を置くことから始めます。安定した良い電源は、回路の円滑な動作と他のノイズを封じ込める効果があります。
自信を持てる電源が出来たら、コンデンサの容量を調整する等コストを意識した調整に移ります。スイッチング・ノイズ対策と良い電源は等価です。信号線の場合まず動くようにしてからノイズ対策と考えがちですが、電源の場合先送りでは動作の検証もままなりません。
次回からはスイッチング・ノイズ対策を見ていきます。