半導体デバイスの電源ピンに付けるパスコンは何uFにすれば良いか。それは、どのあたりの周波数成分(ノイズ)を落としたいかで決まります。
コンデンサは容量(C)の他に、端子などによる影響の小さな抵抗成分(R)とコイル成分(L)を持ちます。このR成分とL成分をそれぞれESR,ESLと言いますが、これらによっても周波数特性が変わり、どの周波数ノイズを効果的に落とせるかが決まります。詳細は省きますが、コンデンサの周波数特性は共振点を持ったV型になり、共振点周波数付近のノイズをいちばん落とせます。
一般的なデジタル回路で使うパスコンは、0.1uFが多く用いられています。最近のコンデンサは特性が良いので、少し高めの容量を用いて低めの周波数帯から広い範囲のノイズを効果的に落とすという目的です。デバイスが数100MHz以上で動いている場合などは、しっかり高周波ノイズを落とす目的で0.01uFなどに小さくします。
また、組み合わせて広い範囲のノイズを落とすという方法もあります。例えば、0.1uFと0.01uFを一緒に電源ピンに接続するという事です。
コンデンサなので並列につなぐと0.11uFになるだけなのでは?と思う方もおられるかも知れませんが、前述のV型の特性を周波数違いで2つ持つ特性となるので広い周波数範囲を落とすのに効果的です。
しかし、パスコン2個付けをする事は配置スペースの問題があるため本当に重要な部分だけに使用するべきです。
次回は、パスコンの数についての予定です。