プリント基板技術者のつぶやき

基板関係

リジッド基板とは?

今回はリジット基板の特徴について解説いたします。

リジッド基板は一般的な基板として広く使用されている硬質な基板です。
材質に紙やガラス布を使用しており、フェノールやエポキシなどの樹脂が組み合わされています。

リジッド基板の種類と材質を少し紹介します。

 

●紙フェノール基板 (FR-1,2)

紙フェノール基板は、紙基材にフェノール樹脂(ベークライト)を含浸させた材料で製造したリジッド基板です。
べーク基板とも呼ばれます。

紙基材なため、リジッド基板の中でも加工がしやすいため、低コストで製作が出来るといういう特徴があります。
スルーホールが形成できないため、片面基板で使われることが多いです。

耐熱性や吸湿性は紙エポキシ基板より劣ります。
反りやすく、耐久性が低いため、熱や水分の影響が比較的少ない環境での使用に適しています。

安価な電子機器、家電製品、オーディオ機器、ゲーム機など民生品に広く採用されています。

 

●紙エポキシ基板 (FR-3)

紙エポキシ基板は紙基材にエポキシ樹脂を含侵させた材料で製造したリジッド基板です。
スルーホールも形成可能ですが、片面基板に使用されることが多いです。

紙フェノール基板よりも耐熱性や吸湿性、電気的特性に優れています。
また、耐湿性や耐トラッキング性、耐アーク性に優れているため高電圧回路に用いられます。

その為、耐湿性や吸湿性、高電圧を要求される回路で使用されることが多く
洗濯機や冷蔵庫などに使用されています。

 

●ガラスコンポジット基板 (CEM-3)

ガラスコンポジット基板は、ガラス布とガラス不織布を混ぜ合わせた基材に、
エポキシ樹脂を含侵させた材料で製造したリジッド基板です。
コンポジットとは、二つのものが合わさったという意味があります。

機械的特性や寸法安定性がガラスエポキシ基板より劣りますが、ガラスエポキシ基板より柔軟性があり、
パンチング加工が可能です。両面基板として用いられることが一般的ですが、
用途によっては片面基板として使用されることもあります。

また、耐トラッキング性に優れているという特徴から
家電製品やAV機器、産業機器、電源基板、アミューズメント機械などに利用されています。

 

●ガラスエポキシ基板 (FR-4)

ガラエポキシ基板は、ガラス繊維製の布を重ねたものに、エポキシ樹脂を含浸させて製造したリジッド基板です。
プリント基板でも広く使用されており、ガラエポ基板とも呼ばれることもあります。

絶縁性、難燃性が高く、電気特性に優れています。
硬質で、耐久性が高いですが、加工性が悪いという特徴があります。
高周波特性や高信頼性が求められる回路に使用されています。

電子機器などで幅広く使用されており、特殊な基板を除き、
多層基板のほとんどがガラスエポキシ基板で、片面基板や両面基板でも使用されています。

流通量が多くなったことで、価格も安価となってきており、
高周波特性や高信頼性、耐久性が求められる家電製品、通信機器、産業機器などに広く使われています。

他の基板関係の記事を見る

つぶやきカテゴリー

ノイズ対策チャンネル