前回は基板サイズを工夫する事でプリント基板の低コスト化をするコツとして、プリント基板のサイズを板取り最大寸法以下にすることが重要とご紹介しました。
もし、プリント基板設計者に指示された基板サイズでは板取り最大寸法超えてしまう場合、プリント基板設計者が板取り最大寸法以下になるようにプリント基板のサイズを検討する事が可能であれば、コスト削減に繋がる可能性があります。
また、複数のプリント基板メーカーと取引がある場合は、板取り最大寸法が各プリント基板メーカーで異なる場合もあるので、どのプリント基板メーカーへ製造発注をしても良いように板取最大寸法を考慮する必要があります。
板取最大寸法は発注する可能性がある基板メーカーの中で最小の板取最大寸法のサイズを選択しておくと良いと思います。
次に1枚の集合基板内に出来るだけ多くの子基板が収納できる基板レイアウトを考えて集合基板のレイアウトを検討する必要があります。例えば、はじめに集合基板内に同一子基板を4枚収納できる基板レイアウトを作成したとします。
ここで、同一子基板の配置レイアウトを変えることで当初の集合基板内の子基板の配置レイアウトより1枚多い5枚の子基板を収納できたとします。
4分割のワークサイズの中に集合基板が6シート取れるとした場合、当初の集合基板内に4枚の子基板を収納した場合、定尺当たり4X6X4=96枚の子基板が生産出来るとします。ここで、集合基板内に5枚の子基板を収納した場合、定尺当たり4X6X5=120枚の子基板が生産出来るとします。
子基板1枚あたりのコストに換算すると、96/120=0.8となり集合基板内に子基板を1枚増やすことでコストが20[%]削減出来たことになります。プリント基板のサイズにはワークサイズなどの制約の他に部品実装機やはんだ付け炉で流せるプリント基板の大きさには制約があります。
この製造設備の制約も含めたプリント基板サイズ以下で出来るだけ大きな集合基板とすると子基板の収納数も増えます。
また、部品実装工程でもある程度大きな集合基板の方が効率良く部品実装を行なうことが出来ます。
部品実装工程に関しては工場の生産性を上げる為にプリント基板のサイズを標準化している工場もあります。
この場合、その標準サイズに合わせて設備の条件が設定されていますので標準サイズに従い集合基板の基板レイアウトを決定する必要があります。
今回ご紹介した例では、子基板の基板レイアウトだけでなく、集合基板の基板レイアウト次第で基板のコスト、部品実装工程の作業効率も影響してくることが分かります。