プリント基板の製造工程④前回は基本的な基板の製造工程の(5) 黒化処理~(12) エッチングまでをご紹介しました。今回は(13) レジスト塗布から引き続きご紹介していきます。
(13) レジスト塗布
エッチングが終了した基板は、基材(うすい黄色)の上に金色に輝く銅箔のパターンが走っている状態で、このままでは、銅箔はすぐに酸化してしまいます。また、パターン間にゴミが入り込めば、ショートの原因となります。そこで基板にソルダレジストを塗布します。ソルダレジストには2種類あります。
① フィルム状ソルダレジストソルダレジストがフィルム状でドライフィルムと同じように、基板にソルダレジストフィルムを貼り付けて処理を行ないます。
② 液状ソルダレジスト液体のソルダレジストで、ほとんどの工場では、作業性が良く、均一に塗布し易い為、液状のソルダレジストを使用しています。塗布する方法によって3つに分類されます。
A.静電スプレーコーター
液状ソルダレジストをノズルから噴霧して塗布する方法です。均一に塗布することができるが、ロスが多いのが問題です。
B.カーテンコーター
液状ソルダレジストを、滝のようにカーテン状に落下させ、その中に基板を通過させることによって基板全面にレジストを塗布する方法です。スプレーコーターは液状レジストを霧状にするが、カーテンコーターは、液体そのままを落下させます。
C.スクリーン印刷法
繊維性のスクリーンを基板上に乗せてから、スクリーン上に液状ソルダレジストを乗せて、スキージで伸ばしながら加圧することにより透過印刷する方法です。シルク文字印刷とまったく同じ方法です。
(14) レジスト露光
ハンダメッキを行う箇所(ランド、スルーホール、パッドなど)に塗布されているソルダレジストを除去する工程です。ソルダレジストは紫外線に当たると硬化する性質を持っている為、パターン形成で行った露光・現像と同様の工程となります。全面にソルダレジストが塗布された基板にフィルムを重ね合わせ、露光します。
(15) レジスト現像
露光すると、紫外線の当たらなかった部分(ランド、スルーホール、パッド)は硬化しないため、現像工程で使用される現像液によって、ソルダレジストが溶解されます。
(16) シルク印刷
シルク印刷は基本的には、インクジェット印刷機で印刷されます。その他の方法は、フィルム印刷・手刷り印刷があります。
(17) 表面処理
表面処理は、ハンダレベラーはソルダーコターで処理を行います。フラックスはフラックス塗布装置で処理を行ないます。金フラッシュは金フラッシュメッキラインで加工します。
(18) 導通検査
導通検査はフライングチェッカーで導通検査を行います。また発振基板(回路)の場合はインピーダンスのシミュレーション及び、実測してチェックを行います。
(19) 外形加工
NCルーター加工機にて外形加工やスリット加工を行います。
(20) Vカット加工
最後にVカットが必要な基板にVカットを切り込む作業を行います。
今回まで複数回に分けて、基本的な基板製造工程に関してご紹介しました。基板設計をする時、この基板製造工程の事を知っていると後工程を考慮した基板設計が出来るようになります。