プリント基板技術者のつぶやき

GND関係

パスコンとは

バイパスコンデンサ(通称:パスコン)は、電源や信号線とGND間に接続し、ノイズを除去するための部品です。
このコンデンサはノイズをグランドへ逃がして除去するため、「バイパスコンデンサ」と呼ばれます。また、「デカップリングコンデンサ」と呼ばれることもあります。

バイパスコンデンサの役割には次のようなものがあります。

1.ノイズの除去:ICなどの電源ラインに入ってくるノイズをグランドに逃がして取り除きます。
2.電流供給の補助:ICへの電流が不足したときに、バイパスコンデンサに蓄えられた電荷を使って誤作動を防ぎます。
3.電源電圧の安定化:回路上で電源電圧が変動した際に、バイパスコンデンサに蓄えられた電荷を使って電圧の変動を抑えます。

このように、バイパスコンデンサは回路の安定性を高める重要な役割を果たします。

パスコンを使用する時の注意点として、次の点が挙げられます。
1.配置場所:パスコンはできるだけICの電源ピンの近くに配置します。
これにより、ループやインダクタンス成分が大きくならず、                                                      ノイズ除去効果を高めることができます。
2.配置順序:複数のパスコンを使用する場合、容量の異なるコンデンサを組み合わせます。
電源ピンの近くに容量の小さい(例えば0.1μF)を配置し、その外側に容量の大きいコンデンサ
(例えば10μF)を配置します。                                                         3.配線順序:パスコンを通過した後にICの電源ピンに接続します。
複数のパスコンを使用した際は容量の大きいコンデンサの後に容量の小さなコンデンサを通過して、その後ICの電源ピンへ接続します。                                                       4.静電容量:ノイズ除去の対象となる周波数に応じて静電容量を決定します。
高周波のノイズには静電容量の小さいコンデンサ、電源回路などの低周波ノイズには容量の大きいコンデンサを使用します。

ノイズ除去の対象となる周波数が広い場合は、静電容量の小さいものと大きいものを組み合わせて使用するのが効果的です。

電源回路には高容量(数10μF~数100μF)のコンデンサが付けられますが、これは主に電源の低周波変動を吸収するために用いられます。
一方で、高周波の変動ノイズを主に吸収するためには、小さな容量(0.01μF~0.1μF程度)のコンデンサを用いられます。
これらの小容量パスコンは、ノイズ源に近い所に配置しないとノイズ吸収効果が発揮されないため、半導体デバイスの電源ピンごとにできるだけ近くに配置するのが一般的です。

パスコンにはデバイスの電源ピン内のノイズを外部に漏らさない効果がありますが、
他のデバイスから漏れたノイズが電源に存在する場合、そのノイズがデバイス内に入るのを防ぐ効果もあります。

次回は、容量の選定についての予定です。

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