プリント基板技術者のつぶやき

大電流関係

大電流基板とは

厚銅基板 設計・実装サービス

通常のプリント基板と比べて、桁違いに大きな電流を流すことができるように設計されたプリント基板のことを言います。

大電流を扱う機器は、工場の配電盤、工作機械、産業機械、自動車、電車、ロボットなど様々な用途があります。
自動車用の機器の電流は2[A]~100[A]等ですが、こうした大電流の用途にもプリント基板が使われるケースがあります。
通常のプリント基板では電流を適切に処理できない場合がありますので、そういった場合は特別な設計を施したプリント基板が必要になります。

プリント基板を設計するにあたり、パターンの配線幅の確保が1つのポイントとなります。
流れる電流に応じて適切な配線幅を設定することは、基板の性能や信頼性を確保する上で不可欠です。

一般的なプリント基板に大電流を流そうとするには、パターンの配線幅を大きくとる必要がありますが、
基板サイズや、部品配置の制約により、配線幅を大きくとれない場合があります。
配線幅を大きくとると、部品を配置するスペースがない。
基板サイズの制限や部品の配置によって、適切な配線幅を設定することが出来ない。といった問題が起きてきます。

そういった場合は、銅箔パターンの幅を広げるのではなく厚みを持たせた厚銅基板とします。
銅箔の厚みを増やすことで、細い配線幅でも多くの電流を流せるようになります。
厚銅基板では基板サイズの制限や部品配置によってスペースが取られた場合でも
限られたスペースで効率よく部品配置、配線を行う事ができるようになります。

もう一つのポイントは放熱の対策です。
電流量が多くなると、パターンや搭載部品が発熱します。
場合によっては放熱対策を行わないと部品の損傷や誤動作を引き起こす可能性があります。

放熱対策として基板のパターンやヒートシンク、ファンを使用して熱を逃がす方法がありますが、
流す電流量によっては放熱しきれない場合も出てきます。
そういった場合、基材自体を放熱性が高いメタル基板や銅インレイ基板などを用いることもあります。

 

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