大電流基板の一番の利点は、手配線の電子機器がプリント基板に置き換わった時と同様に誤配線がなく、製品品質が安定し、組み立てコストが大幅に低下することです。
コネクタやネジ止めが少なく、接続部のゆるみやワイヤのたるみの心配も軽減されます。
電気特性が均質、安定になることも挙げられ、自動車など大電流を扱う大量生産品に適しています。
一方、大電流基板の課題点は、製造コストが高いこと、厚銅箔の銅張積層板は標準材料でないから割高です。
また、厚銅基板では、導体厚数百[um]の導体パターンの形成も簡単ではありません。
2:でお伝えしましたが、銅箔が厚くなると、エッチングレジストのパターン通りにエッチングできません。
深さ(タテ)方向だけでなく、ヨコ方向にもエッチングが進行してしまうからです。
基板メーカも各社独自の工夫をこらして製造しているようですが、一般のプリント基板に比べかなりのコストアップとなることは避けられません。
制御用の配線と一体化する場合は、導体厚が薄い信号配線と厚い大電流配線が混在するので色々工夫が必要となります。
大電流基板は、大電流製品を量産するユーザにとっては大きなメリットがあるので、今後材料、製法ともに改良が進んでコストが下がり、利用が拡大していくと思います。