第1回から第3回まででご紹介してきた内容を踏まえて、今回からは大電流基板を設計する時のポイントを少しご紹介したいと思います。
第2回でもご紹介しましたが、大電流基板では、大電流を流すパターンに流す電流量にあった
銅パターンの断面積を設定する必要があります。
一般的には、【パターン幅を太くする】と【銅箔厚を厚くする】ことで、パターンに流す電流量にあった銅パターンの断面積を設計していきます。
今回は、【パターン幅を太くする】についてご紹介して行きます。
パターン幅を太くして大電流経路を設計する時のメリットは、導体厚が薄い信号配線と厚い大電流配線が混在することが容易となります。
第1回でご紹介しましたが、普通の基板の銅箔厚(35[um]~70[um])を選択し流す電流量にあった銅パターンの断面積をパターン幅の太さでカバーすることで、普通の信号伝送用の基板の設計と同じイメージで設計する事が可能となります。
しかし、デメリットとして、電流量にあった銅パターンの断面積をパターン幅を太くして確保する為、基板サイズが大きくなりすぎてしまう傾向があります。
一般的に銅箔厚35[um]のパターンにはパターン幅1[mm]に1[A]程度流せという考え方がありますが、パターン幅を太くして大電流経路を設計した場合は仮にMAX=10[A]としても単純計算で10[mm]必要になるということになります。