プリント基板技術者のつぶやき

大電流関係

基板構成を変える方法

厚銅基板 設計・実装サービス

前回は、【銅箔厚を厚くする】方法のデメリットと対策法として下記の例をご紹介しました。

1.大電流銅箔層(厚銅の層)を基板の内層に設定する方法。
2.大電流が流れる基板と電流を制御する基板を分離して2枚構成とする方法。

この対策方法の”大電流銅箔層(厚銅の層)を基板の内層に設定する方法”では、少し注意が必要となるので今回はその補足をしたいと思います。

”大電流銅箔層(厚銅の層)を基板の内層に設定する方法”では、内層の銅箔厚と外層の銅箔厚が異なるので、大電流経路を外層に配線する場合は注意が必要です。

例えば、外層銅箔厚=35[um],内層銅箔厚=300[um]で基板を構成した場合、10[A]流す経路を設計した時の外層と内層で必要なパターン幅はそれぞれ、外層=10[mm],内層=1[mm]となります。

この層構成で大電流経路を配線すれば省スペース化の基板設計が出来ますが、基板の配線状況によっては大電流経路を外層へ配線しなければ配線が困難になる場合があると思います。

この時に大電流経路に必要な内層と外層のパターン幅が違うので内層の大電流経路に必要な幅(1[mm])と同じ幅で配線をしてしまうと、外層では10[A]流すのにパターン幅は10[mm]必要なところを内層と同じパターン幅1[mm]で配線してしまうと電流量に対してパターン幅は1/10となっているので、非常に危険です。

パターンが焼ききれるトラブルや、最悪の場合基板が発火する可能性もあります。

今回ご紹介したように”大電流銅箔層(厚銅の層)を基板の内層に設定する方法”では、少し注意して設計を行わないと大きなトラブルを招く可能性があります。

他の大電流関係の記事を見る

つぶやきカテゴリー

ノイズ対策チャンネル