前回はチップ部品の取り付け用PADの応用設計をご紹介しました。今回は挿入部品タイプのFETの取り付け用パッドの応用設計例をご紹介します。
一般的なFETの形状とピン配置は図1のような形状をしています。
図1:一般的な挿入部品タイプのFET
このままのリードの間隔で、プリント基板に取り付け穴を設置してFETを取り付けても部品実装上特に問題ありませんが、大電流の経路(Drain, Source)の配線経路がFETの足周辺で細くなってしまう傾向があります。
特にDrainのリードは部品の中心にある為、図2のように物理的に細くなってしまいます。
図2:挿入部品タイプのFETをそのまま基板に実装した場合のパターン幅
このDrainに繋がる配線経路を細めない為に、FETのリードを互い違いに折り曲げて配置することで図3のように電流の経路(Drain, Source)の配線経路の幅を細めないで配線経路を確保することが可能になります。
図3 挿入部品タイプのFETの足を互い違いに実装した場合のパターン幅
今回ご紹介した方法はDrainの端子を図の下側へ曲げた場合ですが、逆にGate端子、Source端子を下側へ曲げることも可能です。
この方法を検討する際は、部品の足の長さや基板の仕様を確認した上で基板設計を行なって下さい。