プリント基板技術者のつぶやき

高速信号関係

特性インピーダンス

分布定数回路上を伝わっているエネルギーの電圧の波と電流の波の比の事を特性インピーダンスと言います。

R,L,G,C等価回路のインピーダンス計算式においてRとGは非常に小さいため、伝送線路を無損失に近似できたとして R=0, G=0 にすると、Zo = √L/C になり、信号の周波数や伝送路の長さに依存しない一定の値になります。

これが特性インピーダンスです。

ずっと同じ材質で同じ断面形状の伝送路であれば、長さに関係なく一定の値の特性インピーダンスであるため、○○オームの伝送路、○○オームのケーブルと言う表現がされます。

単位がオームであるため抵抗値と勘違いしやすいですが、伝送路やケーブルの抵抗値自体はかなり小さいです。

負荷のインピーダンスと線路の特性インピーダンスが同じでないと反射波が生じて伝送に無駄が生じ、反射波によって波形が乱れるなどの弊害が起こるため、高速信号伝送ではデバイス入出力や信号パターンの特性インピーダンスを合わせる事で反射波が生じないようにします。

つまり、インピーダンス整合を取る回路構成によって特性の改善を図ります。

シングル伝送では同軸ケーブルで多く用いられている 50Ωが一般的な特性インピーダンスの値になります。

差動伝送では 90~110Ωが用いられており、伝送フォーマットによって値が決められている場合があります。

次回は、パターンのインピーダンスコントロールについて

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