前回、特性インピーダンスの話をしました。
プリント基板のパターンにも特性インピーダンス値があり、回路内の部分でインピーダンス整合が必要な場合に、
必要な部分のパターン特性インピーダンスを一定の値に作り込む事を基板製造で行ないます。
プリント基板パターンの特性インピーダンスは、配線の幅、銅はくの厚み、基準層となるGND層との距離、その間にある絶縁体の比誘電率 が関わる計算式で求められます。
配線銅はくの幅を広くする、もしくは厚みを厚くする、つまり、パターン断面積を大きくすると特性インピーダンスは下がります。
パターンとGND層との距離を近く(その間の絶縁体の厚みを薄く)しても特性インピーダンスが下がります。
通常の基板構成とパターン幅では、シングルのインピーダンス値は 30~80Ω程度になります。
基板が完成した時のパターン幅や各厚みを考慮して目的のインピーダンスになるように基板製造時の工程調整が行なわれます。
通常は、基板の不要部分にインピーダンスコントロールのパターンと同一配線層で同一配線幅のテストクーポンというものが作られます。
これは、基板製造が完了した時に TDR測定機という特性インピーダンス値を測定する機械にかけて、正しくインピーダンスがコントロールされて作られているかを確かめるものです。
パターンのインピーダンスコントロール精度は±10%程度ですが、多数の層でのインピーダンスコントロールや、同一層での異なる値の(シングルと差動など)インピーダンスがあると、かなり基板製造難易度が上がってしまい、歩留まりが悪くなるなどして基板の価格が上がってしまうため注意が必要です。
同じインピーダンスコントロール値は同じ層に、違う値の場合は別の層配線にまとめる事が出来ると作りやすいようです。
次回は、終端抵抗について