スイッチングノイズは、
スイッチング電源の3箇所から異なった形で発生します。
1. スイッチング部分
コイル,スイッチングするパワーFET又はパワートランジスタ,
ダイオード又はロー側パワーFETで囲まれるた部分です。
2. 出力段
スイッチング部分の後段です。
3. 入力段
スイッチング部分前段です。
スイッチング部分は、スイッチング周期で急激に電流の流れるが変化する部分です。
そのため隣接するパターンにノイズが飛びやすく注意が必要です。
近年のスイッチング周波数の高速化,低オン抵抗化したFETを内蔵するスイッチング制御ICと同期整流式の増加でノイズ対策方法にも影響が出ています。
スパイクノイズはここから発生し周辺に伝搬します。
出力段はスイッチングで生まれたノコギリ状の電流変化をコンデンサで平滑している部分です。
ここで平滑しきれなかったリップルノイズ成分は、電源全体に広がり供給を受けているICの動作に影響を与える危険があります。
また、リップルノイズ成分が動作に影響を与えなくとも、電源のケース外部へ出力やインターフェースを介して信号ラインをアンテナにしてノイズが伝搬して行きます。
入力段のスイッチングノイズのケアも大切です。
スイッチング電源へ入力電圧を供給している電源にとって、スイッチング電源は厄介な負荷です。
消費電流が大きく、且つスイッチング電源の出力段の負荷変動が大きいと入力電流も大きく変動します。
このため、スイッチング部分のコイルへ流れる電流変動(ほぼリップルノイズと同じ成分)とスパイクノイズ又は出力段の大きな負荷変動のノイズは入力段へも伝わり、入力段の電源系にノイズが発生します。
次回は、電圧、電流の変化に着目してスイッチング部分のノイズ対策を
見ていきます。