今回はEMSに関するトラブルの調査方法のコツを解説します。
EMS障害は環境不適合に含まれますが、EMS障害に起因するトラブルであると如何に早く見抜かがポイントとなります。
EMS障害は他の不良に比べ顕著な傾向が無く、経過観察をしているうちに被害が蔓延してしまうパターンに嵌り込む危険が高いのです。
【動作不良要因と発生傾向】
・ハード設計不良,ソフト不良
製品投入前の評価が難しい機能,タイミングで発生。リリース後の機能追加も注意。
・初期不良
製品投入後3ヶ月ほど要注意。製造ロットで傾向が出る。
・経年劣化
製品の返品状況を観察。消耗品の劣化具合と長寿命部品の修理増加(設計寿命との乖離)に注意。
・環境不適合
外気温,湿度,外部電源に関わるものは傾向が掴みやすい。EMS障害は傾向が掴み難い。
●EMS障害は他の不良に比べ顕著な傾向が無いEMS障害は傾向が掴み難い理由を掘り下げます。
ハード設計不良,ソフト不良は、動作不良時に発生した現象とその要因の関係が明瞭で、突き詰めることで発生確率は100%に近づきます。
初期不良や経年劣化も統計を採ることで傾向を掴めます。
環境不適合のうち、外気温,湿度,外部電源に関わるものは環境試験をキツ目に行うことでウィークポイントが分かります。
対してEMS障害は、外来ノイズ発生要因がない限り再現しません。
また、外来ノイズに当てられるタイミングによって動作不良の内容、発生確率が変化します。