前回はプリント基板の製造工程の基本プロセスをご紹介しました。今回からは具体的に基本的な基板の製造工程をご紹介します。
基本的基板製造工程は下記のように(1)~(22)の工程があります。
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(1) ドライフィルムラミネート
(2) 内層パターン露光
(3) パターン現像
(4) エッチング
(5) 黒化処理
(6) 積層プレス
↑4層基板以上の多層基板のみ行う工程
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↓両面基板・4層基板以上の多層基板の両方が行う工程
(7) 穴あけ加工
(8) メッキ処理
(9) ドライフィルムラミネート
(10) 外層パターン露光
(11) パターン現像
(12) エッチング
(13) レジスト塗布
(14) レジスト露光
(15) レジスト現像
(16) シルク印刷
(17) 表面処理
(18) 導通検査
(19) 外形加工
(20) Vカット加工
(21) 外観検査
(22) 梱包・出荷
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(1)~(6)の工程の工程は4層基板以上の多層板のみ行なわれる工程です。
(7)~(22)は片面、両面基板、4層基板以上の多層板で行なわれる工程です。
片面、両面基板の最初の製造工程は(7)からとなります。
(1) ドライフィルムラミネート
銅箔にドライフィルムをラミネートし、
パターンが印刷されたフィルムを重ね合せる工程です。
(2) 内層パターン露光
露光とは、基板に紫外線をあてるだけの単純な工程です。銅箔にドライフィルムをラミネートして、パターンが印刷されたフィルムを重ね合せて紫外線を当てる処理のことです。この工程では4層基板以上の多層基板の内層パターンの形成を行います。
(3) パターン現像
露光によってドライフィルムが紫外線と反応して硬化した部分と、紫外線を浴びずに硬化しないまま残った部分の2箇所に分かれます。現像は、硬化しないまま残った部分のドライフィルムを溶解除去する工程です。
(4) エッチング
パターン形成工程の最後となる処理で、エッチングは、現像によってむき出しになった銅箔部分を溶解し、パターンを形成する工程です。エッチングを行い、パターン以外の銅箔(不要な銅箔)をすべて溶解した後も、パターンの上部には硬化したドライフィルムが付着しています。
この硬化したドライフィルムがある為、ドライフィルムでラミネートされた部分はエッチングされることなくパターンが保護されていましたが、エッチング工程が終了したらラミネートされているドライフィルムも必要無くなるので、ドライフィルムも剥離させます。
今回は基本的な基板の製造工程の(1)~(4)までをご紹介しました。次回は(5)メッキ処理から引き続きご紹介していきます。