これまで信号ラインについては、クロストークを避けるためにプリント基板のパターン配線は平行 に走らせない、といったノイズ対策を説明してきましたが、差動で動作する信号線の場合はこの 通りではありません。プリント基板上で差動で動作する信号線を上記のように配線した場合、他 からノイズを拾ってしまい、誤動作を起こす原因にもなります。
差動で動作する信号ラインの場合は、上記のようにノイズ対策のためペア(平行)に配線します。 差動信号をペア(平行)で配線しておけば、仮にノイズの影響を受けた場合は両方の信号にノイズ の影響が及びます。両方にノイズの影響が出れば差分は変わらないので、ノイズによる誤動作を 回避することができます。
プリント基板の設計において、クロストークを回避するためにすべての信号ラインを平行に 走らせる、といった対策は行ないません。差動で動作する差動信号を取り扱う場合には、 仮にノイズの影響を受けたとしても双方の信号ラインが影響を受けノイズがキャンセルさ れるようにペアで配線し、ノイズによる誤動作を回避します。